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「1○に貴賤なし」の公準② 個別編

 先に書いた「1○に貴賤なしの公準① 総括編」の続きとなります。ここでは出題する問題、問読み、正誤判定などの公準をご説明させていただきます。総括編については、以下を参照ください。

「1○に貴賤なし」の公準① 総括編 ここでは、「1○に貴賤なし」の公準をご説明します。 公準とは?  公準(こうじゅん)とは? 意味や使い方 - コトバンク ...

出題する問題の公準

 総括編で説明した競技クイズとしての早押しクイズの公準に基づき、出題する問題の公準については、以下の通りと思っています。

問題の公準
  1. 事実関係に齟齬がないこと
  2. 耳で聞いてわかりやすい文体・表現
  3. 最後まで聞けば、答えが一意に定まること
  4. 解答に直結しない情報を最小限にする
  5. 次第に解答が絞れる問題文の構成
    (マイナーな情報→メジャーな情報、
     解答の候補が複数→一つに確定するなど)

 クイズが予測の競技であること、そして口頭で問題文を伝える、正誤判定を行うことを考えると、上記のことを前提にした問題文を用意しないと、競技クイズという競技は成り立ちません。

 逆に、上記のことが守れていれば何を出しても良いと僕は思っています。それを僕はが、「1○に貴賤なし」という言葉で表現しています。

 どんなに難しい問題であっても、どんなにくだらない問題でも、1問1問に差をつけることなく、正解した⼈に同じ価値の1○をあげる、それが「1○に貴賤なし」の真意です。

 それは、難易度、ジャンル、問題の⻑短にこだわらない、幅広い出題を⽬指す⽅針に繋がります。

問読みの公準

 競技クイズとしての早押しクイズは、問題文を口頭で読むことで出題されます。したがって、口頭で読むことにも競技クイズとしての公準が、以下の通りあると考えます。

問読みの公準
  1. 自然な日本語のアクセント、イントネーションで問題文を読む。
  2. 問題文の予測を手助けするよう、問題文の全体のイメージをできるだけ正しく把握させる読み方をする。
  3. 情報の重要度を意識し、重要な部分は強調する、重要でない部分はさらっと流す。

 基本的には僕も金竜読みと言われる、クイズ界で標準的とされる読み方を意識して問読みをしています。それがクイズの問題文全体のイメージを伝えるのに適切と思っているからです。

 一方、ことさら強調しすぎて、おかしな発音の日本語にならないように注意しているつもりです。

 ただ、上記のことをどこまで自分ができているかは謎、ですが。。。

正誤判定の公準

そして、正誤判定の公準については、以下のことを考えています。

正誤判定の公準
  1. 正誤判定の基準は事前に公表し、解答者はその正誤判定の基準を理解したものとして判定する。
  2. 出題者、参加者からの正誤判定に対する抗議を適切に受け付けるチャレンジ制度を設ける。
  3. 「正解すれば盛り上がる」などの場の雰囲気に流されず、冷静な正誤判定を行う。

 競技クイズの正誤判定に関しては、いまだにきちんとしたルールが無いように僕は思っています。

 そのため、普段から僕は競技クイズの正誤判定については、他の人よりも多くの 時間をかけて説明するようにしています。

 そして、企画中においても、微妙な判定については審議したり、判定の根拠を説明するように心がけます。

~しない公準

 最後に「~しない」という公準、すなわち自分の中で禁忌事項と思っていることについて書いていきます。

~しない公準
  1. 競技クイズ界の狭い見識にとらわれない
    →特に「〇〇すべき」ということに流されない
  2. 「正解してほしい」という感情を持たない
  3. 「誤答のリスクが大きい」問題の出題を躊躇しない
    →特に誤答のリスクの原因が解答者の思い込み、実力不足と結論付けた場合は積極的に出題する。
  4. 解答者の努力、対策に寄り添わない
  5. 落ち度を感じない謝罪をしない

 これは『正解至上主義は害悪』である自分の考えに沿った禁忌事項となります。そして、解答者の意向に出題者は左右されない、独立性を保つものとして、この禁忌事項は重要なことと思っています。

まとめ ~公準の真意~

 以上で、dobbyの企画「1○に貴賤なし」の公準を説明しました。

 最後にこの公準の真意を説明します。

 出題者の課題は競技クイズを競技として成立させるということです。それは、落ち度がない問題の出題、及び参加者全員に対する平等で厳正な正誤判定の遂⾏です。その限りにおいては上記の出題する問題の基準、問読み、正誤判定についてできるだけのことをする所存です。

 ただ、出題された問題について正解するかどうかは解答者の課題であり、出題者が正解させるよう努力をすべき課題ではありません。

 だから、上記の「~しない」公準を設けて、出題者と解答者との間に境界線を張って、解答者の感情によって、自分の判断がブレることがないようにします。

 最後に、解答者の立場で参加するみなさんにお願いすることですが、上記の通り、僕は出題者の立場としては解答者に対して「正解」という喜びを与えようとは思いません。喜びを掴むのは解答者自身の課題だと思っています。

 こちらは、できるだけ何をやるかという情報を出してきますので、企画に参加される折には、こちらから出す情報に基づき、何らかの楽しみを見出してください。

 「1○に貴賤なし」では楽しむことにも「覚悟」を求めます。